ミャンマーとコーヒー
1,ミャンマーの情勢
ミャンマーでは、クーデターにより国軍側に政権を奪われ、民主化を願って抗議を行う市民への弾圧が日々激化しています。
国軍側が行っていることは明白な人権侵害。
民主化のリーダーであるアウン・サン・スー・チーさんを拘束し、インターネットを遮断したり、鍋を叩く(デモ行為の一貫)ことや夜間の外出を禁じ守られなければ銃で攻撃するなど、不当に市民の自由と平和を奪っています。
そして、命まで。
3月24日時点で261名の方が亡くなったことが伝えられており、今日は7歳の女の子が犠牲になったと報じられました。
スー・チーさんの信念である「非暴力」「不服従」を貫きながらデモ活動を続けるミャンマー市民ができることは限られており、さらにインターネットまで遮断されたらSNSなどで外部に状況を伝えることすらできなくなってしまう。
今後、こういった情報すら出回らず、真実が伝えられないまま事態はさらに悪化するのではないかという疑念が拭いきれません。
私はミャンマー人の知り合いがいるわけではありませんが、同じアジア人として、同じ人間として本当に胸が痛いし、路上で治安部隊に銃で撃たれた17歳の少年が引きずられて行く映像を見て涙が止まりませんでした。
これ以上犠牲者が出ないように、とにかく早く事態が収束し、アウン・サン・スー・チーさんの解放とともミャンマーが民主的な国家に生まれ変わることを心から願ってやみません。
2,NIJIYAのブレンドで使用
NIJIYA coffeeが、じゃあミャンマーとまったく関係ないかというとそんなことはなく、実は「ミャンマー・シャンリー」をオリジナルのブレンドで使用しています。
ミャンマーのシャン州ユアンガンで栽培された高品質なアラビカ種コーヒー。
シャンリーは「シャン州の」という意味だそうです。
ミャンマーは、東南アジアの中ではベトナム、インドネシア、ラオスに次ぐコーヒー生産国として世界のコーヒーバイヤーの注目を集めており、中でも小規模農家が中心のユアンガンは今後も高品質なコーヒー栽培が期待される地域です。
今のところ、NIJIYA coffeeでは単独でメニュー化していませんが、シトラス系の爽やかな香りとやわらかな口当たり、コクや甘みの調和が素晴らしく、もちろんストレートでも美味しくいただけるコーヒーです。
3,ミャンマーのコーヒー栽培
ミャンマーのコーヒーについて調べてみると、19世紀にキリスト教宣教師がロブスタ種のコーヒー豆を植えたことがはじまりのようです。
ブラジルに次いで世界で2番目に生産量の多いベトナムはロブスタ種が主流ですが、ミャンマーでは比較的涼しい高原地帯が多く、コーヒー栽培に適した条件下でアラビカ種の栽培が多くを占めています。
ユアンガンはシャン州の西部にありますが、実は同じシャン州の北部では麻薬原料となるケシが多く栽培されています。
標高1300~1800mの高地で育つなど、なんと、コーヒーとケシの栽培に必要な環境条件はほぼ同じなんだそう。
1996年には約16万ヘクタールを占めていたミャンマーのケシ栽培面積ですが、
国連や日本の国際協力機構(JICA)などの後押しにより、ケシのかわりに別の作物を栽培する農家を増やす取り組みが進められており、2017年には約4万ヘクタール、2019年には3万3000ヘクタールに減少しています。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)では、森を維持しながら農業をしていく農法を取り入れながら、コロンビアやペルーなどのコーヒー専門家による技術指導をするなど、
農家さんがコーヒー栽培によってケシ栽培と同等の利益を得られるように品質の向上と栽培面積の拡大に取り組みました。
結果、高品質なコーヒーが栽培される地域も生まれ、2018年から欧州向けに初めてコンテナが出荷、製品化されはじめました。
国連主導で作るコーヒーはこの年すべて、フランスの高級コーヒー企業が買い取る予定だったものの、
「このコーヒーはミャンマーの誇りになる」とアウン・サン・スー・チー国家顧問たっての希望により、少量はミャンマー国内で販売されたとのことです。
NIJIYAとしては、今後もこのミャンマー産のコーヒー豆を適正な価格で仕入れることで、ミャンマーの農家さんが安定して持続的な経営と品質の向上に取り組んでいける環境づくりを、微力ながら応援していきたいと思っています。
参考
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_603c5de9c5b68297150154df
https://news.yahoo.co.jp/articles/a59a04f9ea632a43a9593d2dc3c0aee13b4b9e10/images/001
https://www.globalnote.jp/post-1014.html
https://globe.asahi.com/article/11991706
NIJIYA coffee
金 10:00~15:00
土 10:00~15:00
日 9:00~15:00
※1月より営業時間がかわりました