ヨガスートラ 1-7 〜考えの機能①知覚②間違い〜
最終更新: 2019年7月2日
第1章
1-7
知覚、推測、聖典が
正しい知識を知るためのプロセスです
人が何かを知るためには、当然「知るためのプロセス」が必要。
ここでは、「知る」ための3つのプロセスを説明しています。
①知覚(プラッティヤクシャ)
自分の五感で知り、認識したこと。
例えば、机の上の丸くて赤いものを見て「リンゴだ!」と認識すること。
②推測(アヌマーナ)
五感で確認した情報をもとに、推測してわかる知識。
例えば、山から煙が出ていたら「煙が出ているのは、そこに火があるからだ!」と山火事を推測できる。
③経典に記された知識(アーガマ)
人の知覚や推測では知ることができない範囲にある知識を教えてくれるもの。
例えば、カルマ(行い)とその結果の因果関係、生まれ変わり、輪廻などについて。

1-8
間違った知識は、あるものの本質をとらえずに
決めつけた間違った結論が原因となります
苦悩の原因になるヴルッティ(考え)の一つは、「間違い」である。
あの人に悪口を言われているような気がする。
あの時、ああすればよかった。
将来、ガンになったらどうしよう。
お金が足りなくなったら…。
実態のない過去の後悔。
未来への不安。
誰かの批判や評価という想像。
人間は、心の中だけで起こる間違った認識や嘘の情報にとらわれ、心を動かし、リアクションすることがあります。
主観、想像でしかない幻想や妄想が、深刻な悩み、怯え、不安、苦しみを作り出してしまいます。
普段、私たちが苦しんでいることは、ほとんどが主観的な思い込み。
悩みをよくみれば、そこに実体などないと説いています。
主観的な思い込みは、とらわれた狭い世界で、窮屈に、不自由に生きることを許すようなもの。
本当は、何があるのか?
そのものの実体は何か?
苦しくなりそうになったら、無駄に愚痴る前に、まずはしっかりその本質を見極める努力をする。
簡単にできる人、できない人いると思います。
何度も経験して、センスを磨きましょう。
自分の人生をかっこよくデザインできるのは、自分しかいないのだから。
*参考書籍:やさしく学ぶYOGA哲学 ヨーガスートラ