ヨーガスートラ 1-14、1-15 〜途切れることなく、とらわれず〜

最終更新: 2019年7月3日

第1章



1-14

それ(=繰り返しの練習)は、

長く、

途切れることなく、

自然にできるようになるまで、

誠実な気持ちで続けることです







それによって、規則正しい暮らしや、自分の優しさ、慈悲深さに清々した喜びを覚え、心地よさを維持できるようになるといいます。


その練習、瞑想も呼吸法も、生き方も、特別なイベントではなく、生き方の中に取り込んでしまう。

生き方全体を、自分を高める方向に変えるよう決意し、淡々と実行する。


すると、いつの間にか、体と呼吸を整えることが習慣になり、暴力的な発言や嘘に敏感になって無意識に避けるようになったり、自分の真の優しさ、慈悲深さに気づくことができるようになるといいます。


それは、たぶん一生続く長い道のり。


はじめは意識的な努力が必要。

だけど、習慣になったらこれほど気持ち良いことはありません。


行いに責任を持ち、体にも心にも嘘のない最適な過ごし方を考え、実行する。


自らの意思で自由になることの喜びは、きっと何にも代え難く、そして、誰にも奪われることがない財産となるはず。




1-15

五感で感じたり、

人の話や本で聞いたことに対して、

簡単に誘惑されず、

強い欲に心がとらわれていない人の心の状態を

「ヴァイラーギャ(見極めがある状態)」

といいます





見極めるとは、ありのままをみること。

物の本当の価値を、ありのままにみることのできる心のあり方を意味します。


貪欲に求め、執着し、過剰な期待、後悔、恐れ、心配にとらわれていたり、自分だけの見方で他人を評価したり、人と比べて自分を卑下したり…

そんな自分に少しでも気づいたら、yogaの練習を真剣にする絶好のタイミングです。


物や人に対して、客観的に、あるがままを受け入れる態度を養う方法、

そして、心を風のように自由に流す方法を教えてくれます。


肝心なことは、外の物と人に対する適切な距離感、バランス感覚を保つこと。

互いの自由を認め、調和し続ける広い心と、優しさを持つこと。

頼りすぎず、拒絶することもなく、冷静なスペースをあけて自由を保つ。


私は、かつて師から「スペースは愛なのよ」と教わりました。


背骨を伸ばすポーズのとき、腕を遠くに引き伸ばすとき、自分の中の愛を広げるようなイメージでスペースを広げる。


ポーズによって体現すること、そしてそれを繰り返すことが、やがて自分の一部となって言動に現れるのだと知るのに、そう長い時間はかからないと思います。


そこに行くまでひたすらプラクティス。

到達しても、まだまだプラクティス。




●見極めの4段階


では、どのようにヴァイラーギャ(見極め)を養うべきか??


心配事や欲望で心が激しく揺さぶられている状態から、冷静でありのままをみることのできる状態になるまでには、4つのステップがあるといいます。


第1段階…確認、努力の見極め(ヤタマーナ・ヴァイラーギャ)

欲しいと思うもの、それは本当に自分にとって必要なのか?

冷静に考えて、努力して見極めるように分析すること。

物事の真価を問い、欲望と必要を見極める態度のことです。

「今なくても大丈夫!」そう決めたら潔く立ち去り、悩みの種を一つ手放してしまいましょう。


第2段階…自信、さらに見極め続ける(ヴァティレーカ・ヴァイラーギャ)

見極めたことに自信を持ち、自分の意志と判断力を確認し、さらに鋭く真価を見破ること。

すでに手放したこと、もう過去のように人や物に執着することのない自分に信頼と誇りを持ち、磨いた価値観を高め続けることです。


第3段階…確信、本当のことを確信する(アイキエーンドリア・ヴァイラーギャ)

本当に大事なことは一つだと見極め、他人の称賛や批判に惑わされることがなく、自分への理解と自信を高めている状態のこと。

人や物が自分自身を変えることはできないと知り、ありのままの世界を受け止め、期待することも、裏切られることもない。

そんな、強い自分を確立している状態です。


第4段階…自由、物と他人にとらわれない(ヴァシーカーラ・ヴァイラーギャ)

自分以外の人や物に対する、絶妙なバランスを自然に保っている状態のこと。

誰といても他人に自分をコントロールされることがなく、何を持っていても物に心を奪われることはない。

人や物に、幸せを依存しない状態です。


事実の見極めることによって、人や物や状況に、簡単に自分を流されない冷静さと強さが備わります。

自分を信じ、誇り高く生きることで、損得勘定なく誰かのためになることができ、常に何かを学び、選んで実行できるようになる。


物や人から自由であること。

それが、苦悩からの自由というyogaの本当のゴールにたどり着く道であることを示しています。



※参考書籍:やさしく学ぶYOGA哲学 ヨーガスートラ