Don't Open it!

スパム被害に遭った。


Facebookのアカウントが乗っ取られて、

友達にメッセンジャーで勝手に変な動画が送られてしまうという、あれ。


夜中の授乳で不規則な睡眠不足が続き、

夢と現実の境目がわからなくなっている明け方。

うっかりスマホ見て開けてしまったそのこと自体、夢だったんじゃ…と疑うくらい、

普段の私なら絶対しない。


と、今更誰に言っても信じてもらえない。



休日に息子と外出中の夫からの電話で

私のアカウントから、その動画が送られてることを知り、

冷静を装ってはいたが、

ちょうど下の娘が泣き出したタイミングとも重なって、

完全にパニックになった。

「まさか私が?」を絵に描いた状態。


「友達」に全員送られているだと?

まって、

何から、どこから手をつけたら?

まって、

乗っ取られてるということは、もうコントロールできない?


もう武器を持たない状態で戦地に投げ出されたかのように、呆然とした。

知識もなく、完全に無防備。


夫は、その後追加で対処法に関するサイトを添付し、私にLINEで送ってくれた。

さすが、私のだめなところをわかっている。






早速、乗っ取られた後の対処法の手順通りに進める。


パスワード変更ができた。


乗っ取った相手にパスワードを変更される前に真っ先にやれ、とのことだった。

それができたということは、まだ相手に情報の全てが渡っていないということか。


ていうか、乗っ取る方も成功した時点でそれやったほうが確実じゃない?

え、乗っ取りってそもそもどこまで??

余計なことまで考える。


次に、自分のメッセンジャーの送信履歴から、そのスパムが送られていることを確認。


友達に正確な情報を伝えるために、

「スパムなので開かないで」という内容の文章を手短に作って、

途中で

「あ、これも知らないやつだと思われてるかも」と思い、

最後に自分の名前を入れて、もう一度送り…としているうちに、

「あれ、この人にさっき送ったっけ?」

となっては、またパニック。


正直、とにかく早く全員に送らねば、としか考えていないので

送り先の相手の名前はほとんど確認していない。

あれ、確か一斉送信できるよね?

あ、外国人の知り合い、英語にせねば。。

そして、二度手間、三度手間。

という悪循環。


実際、友達の一人から

「くみ、おんなじようなやつ4回くらい来たよ!笑」

との連絡。

「ごめんね〜(汗)」

とかやってる手間も、正直惜しい。

私のばか!





最悪な1日。


Facebookの投稿でも、

しつこく「ご迷惑をおかけして…」みたいな文章をあげ、

これは「小心者を悪くもないのに謝らせる」という嫌がらせなんだな、と気づいてしまう。


もともと、苦手なプラットフォームだった。

海外旅行先で出会った友達に勧められて作ったアカウントだったが、

個人的な何かを発信することを楽しむタイプの人間ではない。

さらに、友達とはいえ、こまめに人の投稿をチェックするマメな人でもないので、

正直、なくても全然困らないツールだった。


が、今は店のビジネス用アカウントと連動されているため、

なくしたくてもそれができない。






とにかく手順に従って、できることはだいたいやり尽くし、

一息ついていた頃。


しばらく連絡を取っていなかった仙台に住む友達が

気遣いのメッセージを送ってくれた。

それだけでなく「前から気になってて。」と、

私の店のネットショップからコーヒー豆の注文をしてくれたのだ。


苦手なのはFacebookの発信だけではない。

しばらく会っていない友達に連絡をすることも、私は得意ではないので

こんなふうに、私ではない誰かが乗っ取ってでも友達に連絡してくれたのは、

何か、素敵なメッセージかもしれない、

と、私の中のピュアな心が叫んでいた。


いや、ただのスパム被害である。



同じように優しいメッセージを送ってくれる方はほかにもいて、

ちょっと泣けた。

神か。

私だったら、完全に疑ってた。

ビビりすぎて一旦利用解除したアカウントだったが、2秒で再開した。


素直にありがとう、と思って

ちょっと遠くに感じていた繋がりが、

こんな私とまだ繋がっていてくれることに感謝した。


なんか、家に居ながらにして、

半日、ものすごい旅をして歩きまわって、いろんな人に会って体力を消耗した感覚。


疲れた。

とにかく、疲れた。


友達を失いかけ、

時間をムダに使い、

怒りはもちろんあったが、その被害が人に及ぶと思うと

頭はクールにしておく必要があった。

感情よりも、まずは解決法を探って、

被害を最小限に食い止める方が先だと心が知っていた。


こういう悪質な手口は

年々精度も増すんだと思うと怖いし、

もちろん腹が立つ。

もうスマホもPCも依存しなければならない状況に陥っていて、

便利さと引き換えに、個人の情報も万々提供しているのに

情報リテラシーの低い自分にも腹が立つ。


だからこそ、

この体験自体は、私にとって悪くなかったかもしれない。






さいごに、

文体がいつもと違うなのは、今はまっている西加奈子さんのエッセイの影響です。

大好きすぎて文章を寄せていますが、もちろん稚拙さは隠しきれず、

後で読み返して恥ずかしい思いをします。